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変わる世界で、その手は、何をつかむのか

INTERVIEW02

異なる分野のさまざまな人と連携し、
新しいビジネスを創造。
そこに鉄鋼ビジネスの可能性がある。

PROFILE基幹職

線材特殊鋼鋳鍛事業部 線材特殊鋼チーム

加納 優子

2012年入社。幼少期、父の海外赴任に家族で帯同し、父がいろんな人種の方々と働く姿を見て、海外で活躍したいと思うように。また、学生時代、バスケットボール部のリーダーとしてチームをまとめていたことから、組織をまとめ率いる社長業を経験したいとも考えていた。そんな加納がSCGMに入社を決めた理由は、事業会社の経営に携わる機会があることと、鉄という身近にあるモノを取り扱っていることだった。

※掲載内容は、インタビュー当時のものです。

世界各地に向けた鋼材の輸出を担当し、
商社パーソンとしての仕事の醍醐味を実感。

入社後、自動車鋼板・鋼管事業部に配属され、タイ・マレーシア向け薄板輸出を担当。そのなかでとりわけ大変だったのは、お客さまが日本とタイ、メキシコで順々に自動車の新機種を立ち上げるにあたって、その鋼材調達を任された時です。試作車づくりに向けたサンプル用の鋼材を出荷するのに、仕入れ先を見つけて商談した翌日には鋼材の出荷準備をしてもらい、全速力で船積み書類などのさまざまな手続きを行い、その週末には船で出す。目の回るようなスピード感で必死に仕事に取り組むなか、貿易実務に関する知識・ノウハウを習得することができました。その後、輸出機材事業部に異動し、自動車のエンジンに組み込まれるクランクシャフトの輸出を担当。世界各国の産業機械メーカーのお客さまと商談を重ね、既存の輸出案件をまとめつつ、その一方で新規開拓に奔走しました。そうしたなか、鉄鋼メーカーの技術陣と連携し、お客さまの要望を実現する新材料を開発する会話にまで踏み込み、提案と価格交渉を重ねて商売を決める、といった商社パーソンならではの仕事に醍醐味を覚えました。

従来の鉄鋼ビジネスを超えた取り組みに挑戦し、
自らの転機となったモロッコ駐在経験。

キャリアの転機となったのは、入社7年目から約2年間、モロッコの住友商事カサブランカ事務所に赴任したことです。私の役割は住友商事グループの全社営業サポート。鉄のほか、化学品、農薬からフォークリフトなどの幅広い商材、海外工業団地の立ち上げ、物流まで、営業部門のすべての業務のサポートに携わりました。そのなかで鉄以外の目線や感覚を得て、視野や世界観を広げていくことができました。赴任2年目には、住友商事が出資する会社が開発した、画期的な冷蔵・冷凍技術を搭載した冷蔵・冷凍コンテナの拡販プロジェクトに参画。鉄を供給するという既存ビジネスを超えた新しい取り組みを行うなかで、住商グローバル・ロジスティクスや住商フーズなどと連携するなど、住友商事グループの力をフルに活かしたビジネスのつくり方を体得しました。同時に、「鉄以外の感覚や着目点が異なる分野を巻き込んで進めていく方が、より大きなビジネスができる」というマインドを養うことができました。

これまでに得た経験・知見を活かし、
鉄にとらわれない視点でビジネスを創造。

現在は線材特殊鋼鋳鍛事業部に在籍。線材特殊鋼チームサブリーダーとして、線材・棒鋼のトレード業務を担当し、そのなかで、モロッコ駐在で得た経験・知見をフルに活かしています。たとえば、ベルギーに本社のあるタイヤコードメーカー(※)のお客さまA社に向けての営業戦略もその一例です。A社における当社シェアの拡大を実現するためには何をすべきか? 辿り着いた答えの一つは、A社の既存商売の拡大ではなく、仕入れ先の拡充含めた既存品以外の製品提案です。A社は洋上風力発電に使うロープも製造販売しており、そのロープのなかに鉄が使われています。とはいえ鉄を使うけれどメイン材料ではないため、以前の私だったら、「鉄を供給するレベルじゃないな」と諦めていたかもしれません。しかし今は、住友商事グループ各社や社内の違う部門を巻き込んで、一緒に大きなビジネスに育てればいいではないか、と考えられる自分がいます。これからも鉄を中心としつつも、鉄にとらわれない視点でビジネスを創造していきたい。それが私の目標です。

(※)タイヤコードメーカー:タイヤの形状を保持するための補強材を製造するメーカー。